ボーイスカウトとは
ボーイスカウトは、健やかな子どもを育成する世界的な運動です。この運動は1907 年イギリスのブラウンシー島で行われた小さなキャンプからスタートしました。かねてから少年たちの教育に大きな関心を持ち、このキャンプを主宰したイギリスの退役将軍ロバート・ベーデン- パウエル卿は、インドや南アフリカでの体験をもとにさまざまな野外教育を通じて、少年たちが男らしさを身につけ、将来社会に役立つ人間に成長することを願い、20 人の子どもたちとともに実験キャンプを行いました。 このキャンプの体験をもとに、翌年「スカウティング・フォア・ボーイズ」という本を著し、少年たちの旺盛な冒険心や好奇心をキャンプ生活や自然観察、グループでのゲームなどの中で発揮させ、「遊び」を通して少年たちに自立心や、協調性、リーダーシップを身につけさせようとしました。これがボーイスカウト運動の始まりです。
歴史的な実験キャンプ
1907年、ボーイスカウトの創始者ロバー
ト・ベーデン- パウエル卿は、イギリスの
ブラウンシー島に20人の少年たちを集め
て実験キャンプを行いました。これがボー
イスカウト運動の始まりです。
出典:Wikipedia
世界スカウト章
世界スカウト機構の共通マーク
で、全世界の加盟員はユニフォ
ームに着用することが認められ
ています。
日本には、1908(明治41)年にボーイスカウト運動が伝わり、全国各地に色々な少年団が数多く作られましたが、その後、全国的な統一結成への動きが起こり、1922(大正11)年4月13日に「少年団日本連盟」が創立され、ボーイスカウト国際事務局に正式加盟し、世界の仲間入りを果たしました。これが日本におけるボーイスカウト運動の始まりです。
1912(明治45)年 神戸のフレデリック・ウォーカー牧師が設立したボーイスカウト隊。
ボーイスカウト運動の組織と構成
日本におけるボーイスカウト運動の現状
現在、全国47都道府県、それぞれに県連盟事務局を設置し、全国的な活動を展開しています。各県連盟の自立性と独自性を重んじ、地域に根ざした活動を行っています。各県連盟は、おおよそ行政単位ごとに地区を構成し、その下に団・隊が組織されています。
ボーイスカウト運動の教育
世界共通のヴィジョン:Creating a Better World( より良き社会を創る)
目的:より良き社会人の育成
本連盟は、ボーイスカウトの組織を通じ、青少年がその自発活動により、自らの健康を築き、社会に奉仕できる能力と人生に
役立つ技能を体得し、かつ、誠実、勇気、自信および国際愛と人道主義を把握し、実践できるよう教育することをもって教育の目的とします。
ボーイスカウト運動の特徴は
1 青少年の自発活動であること。
2 青少年が、誠実、勇気、自信、および国際愛と人道主義を把握すること、健康を築くこと、人生に役立つ技能を
体得すること、社会に奉仕できるための人格・健康・技能・奉仕を4本柱としていること。
3 幼児期から青年期にわたる各年齢層に適応するよう、年齢に応じた部門があり、それぞれのプログラムが一貫し
ていること。などがあげられます。
ボーイスカウトの教育が他の青少年団体と異なるところは、
そのプログラムにあります。それは、「ちかい」と「おきて」の実践、
班制教育、進歩制度、野外活動を取り入れていることです。
ボーイスカウトの教育では、どのようなときにも、どのような
場でも、すべての活動が「ちかい」と「おきて」の実践を基盤にお
いて行われています。
「ちかい」は、自分自身に対して誓うものであり、また、スカウ
トの「おきて」は毎日の生活のものさしとして自分の行動を律す
るものです。
進歩制度(バッジシステム)
人には、それぞれ生まれもった才能もあれば、成長するにつれて興味をもつようになった趣味などもあります。一人ひとりが、
個性豊かな可能性を秘めています。子どもたちの成長にあわせ、個性を伸ばしながら、社会人として必要な資質を一つずつ身に
つけさせるもの。それが進歩制度の考え方です。
進歩制度には、必ず身につけるべき共通のもの(修得課目)と、各人の趣味や得意な技能を伸ばすもの(選択課目)があり、修得課目は色々な活動を通じて修得に努力し、規定の課目を完修すると進級章が与えられます。
小グループ活動(班制教育)
班は、少人数の子どもたちにより編成されます。ボーイスカウトの班は、
• 遊びの仲間により作られた、異年齢の集団。
• 仲間の1人にリーダーシップをとらせる。
• 6~7人のグループで、一人ひとりが、班の運営のために明確な役割を分担する。ことを特徴としています。班は、子どもたちの自治のグループであり、指導力と責任感を養成する場所です。
野 外 活 動
ボーイスカウトの教育における野外活動は、単なる戸外ではなくもっと広い、もっと大きな自然から学ぶことを意図していす。つまり、大自然を教場としているのです。大自然の中に身をおき、身体を鍛え、技能を磨き、知識と強い意志を身につけます。
ボーイスカウトってどんなことをするの?
ボーイスカウトと聞くとイメージするのはキャンプやハイキング、そして街頭募金などとよく言われます。ボーイスカウト活動は、野外で、子どもたちの自発性を大切に、グループでの活動を通じて、それぞれの自主性、協調性、社会性、たくましさやリーダーシップなどを育んでいきます。そのプログラムはバラエティに富んでいて、各年代においても様々です。
1907年にイギリスではじまった青少年教育活動は、今では世界では169の国と地域、約4000万人、日本全国には団と言われる活動母体が約2,000あり、約11万5千人が活動しています。
年代別プログラム
ボーイスカウトは一貫した教育方針の元、各年代にわかれ教育プログラムを実施しています。
Beaver Scout ビーバースカウト
対象
年齢
小学1年生の4月から (就学直前の1月から仮入隊できます)
ビーバースカウトは、ボーイスカウトで最年少の小学1年生から2年生を対象としています。「みんなと仲良く遊ぶ」「自然に親しむ」「楽しみや喜びを分かちあう」などをねらいに置き、様々なことにチャレンジします。
対象
年齢
Cub Scout カブスカウト
小学校3年生の4月から
カブスカウトは、小学3年生から5年生を対象としています。目標は「自分で考え自分のことは自分でする」「みんなでルールを作って仲良く遊ぶ」「自然や社会とふれあうこと」などを通じ、自立心や創造力を養います。
対象
年齢
BoY Scout ボーイスカウト
小学校6年生の4月から
ボーイスカウトは、小学6年生から中学3年生を対象としています。キャンプやハイキングなどの野外活動の中で、「リーダーシップ」「協調性」「社会性」などを育みます。また、奉仕活動を積極的に行い、「人のために役に立つことの大切さ」も学びます
ベンチャー/ローバースカウト
高校生年代になるとベンチャースカウトに、18歳から25歳まではローバースカウトになります。ボーイスカウトの中では、一貫性のある教育の最終段階となり、より自主性に基づいた活動を行います。そうした活動は、アドベンチャーに富んだ内容や地域社会への奉仕など様々な分野におよびます
指 導 者
18歳以上になると、指導者としてボーイスカウト活動に参加することができます。指導者研修の受講など決められた手順をへてリーダーとなり、プログラムの企画、運営をボランティアで行います。より良き社会人の育成をめざし、全国で約5万人の指導者が、この活動を支えています。
人間性育むボーイスカウト運動
国際協力活動
現在の日本は、未曾有の災害や世界規模の経済危機に直面し、近隣諸国や世界との協調・協力による課題への取り組みが求められています。ボーイスカウトは、世界的な組織があり、他の国々の仲間とも力を合わせながら活動を推し進めているグローバルな青少年団体です。こうした背景をもとに、ボーイスカウト日本連盟では、国際理解・国際協力プログラムを積極的に展し、世界各国との交流活動・支援活動を行っています。
特に、国際協力については、それぞれの部門において各年代に応じたプログラムを展開することにより、世界に向ける子ども
たちの小さな芽が、将来大きくはばた「地球市民」へと成長することが期待できます。日本のローバースカウトは、これまでバングラデシュ、ウガンダなどの各地を訪れて、現地のスカウトと協働しながら国際
協力活動を行ってきました。また、フィリピンで行ってきた韓国・台湾のスカウトとの共同活動を発展させ、バングラデシュにおける国際協力活動を行っています。
ボーイスカウトと環境教育
スカウトたちにとって森や川、海といった野外のフィールドは活動の舞台です。100年以上も前にスカウト活動が始まってから今日まで、スカウトたちは野山や森林を訪ね、自然を友とし、自然と親しむ能力と心を育んできました。そうした中で、自然愛護の具体的な方法を身につけます。地球環境の保全が叫ばれる今日、こうしたスカウトの姿勢は新たな角度から再評価されており、ボーイスカウトでは毎年9月の敬老の日を「 スカウトの日」 として、全国で「環境」を中心としたさまざまなテーマの奉仕活動を展開しています。
国際性豊かなボーイスカウト運動
世界への拡がり
ボーイスカウト運動の目的・教育システムは世界共通です。名称も世界共通で、「ボーイスカウト」または単に「スカウト」と世
界中で呼ばれています。1920年には、国際事務局がロンドンに開設され、以来、性別・人種・宗教・言語など、あらゆる違い
を超えて、世界中の青少年の友愛を深めることを目指したスカウト活動が積極的に展開されています。
現在、世界スカウト機構に169の国と地域が正式加盟し、約4,000万人が活動しており、世界事務局がマレーシアのクアラルンプールに設置されています。また、これまでに2億5,000万人以上の人々が人生の一時期にスカウト活動を体験して、それぞれの社会で有能な一員として活躍しており、この運動の実績は高く評価されています。この数字は、ボーイスカウト運動が世界的規模で発展していること、その意義が広く世界に認められた証といえます。
ジャンボリーをはじめとした各種大会
ボーイスカウトでは各種のキャンプ大会を開催し、スカウトたちはそこで日ごろの訓練で培った技能や技術を発揮するととも
に、多くの仲間たちと友情を深めます。日本の大会の中で最も規模が大きいものは、4年に1度開催す
る日本スカウトジャンボリーで、全国47都道府県から約2万人のスカウトが一堂に会し、野外を主な教育の場として学び、相互
理解・国際親善を図ります。本年8月には石川県珠洲市で、第17回日本スカウトジャンボリーを開催します。
また、日本スカウトジャンボリーとは異なる年に、やはり4年に1度世界スカウトジャンボリーが開催されています。2015年には
第23回世界スカウトジャンボリーを山口市阿知須・きらら浜で開催、世界中の155の国と地域から約3万4,000人が参加しました。また、この大会の前後に全都道府県で約7,000人以上をホームステイで受け入れました。来年の夏はアメリカ・ウェストバージニア州にて第24回世界スカウトジャンボリーが開催され、日本からも1,000人規模の参加を予定しています。
この他にも、障がいのあるスカウトの大会「日本アグーナリー」などを4年ごとに開催しています。
以上、ボーイスカウト日本連盟HP 団体案内より転載致しました。
2015年第23回世界ジャンボリー会場(山口県・きらら浜)
2015年第23回世界ジャンボリー山口大会・会場にて
北総地区(野田・流山)のスカウト達
場外プログラム:広島平和記念公園にて 記念撮影です。